フラダンサーシシーに学ぶ有名と一流の違い!「フラの母」アンティーマイキとの関係は?
ハワイに暮らしていると、地元の穴場的なハワイアンミュージックのイベント会場に出向く機会が多くあります。
イベントに花を添えるのは、何と言ってもフラダンサー達です。
そういった地元のイベント会場でのフラパフォーマンスは、観光地のフラがメインのフラショーとは、ひと味もふた味も違った趣があります。
大きなフラショーに比べたら、「小さな舞台」といえるかも知れませんね。
さて、ハワイに、有名なフラダンサーは五万といます。日本のフラ雑誌などでといあげられているので、日本のフラダンサーさんの方が詳しいかもしれませんね。
また、ハワイのフラの歴史を学んでおられるフラダンサーさんなら、「フラの母」「ハワイアンルネッサンスの母」と異名をとる「アンティーマイキ」の名前は既にご存知だと思います。
今日は、そのアンティーマイキとダンサーシシーの関係を通して、「有名と一流の違いは?」という、ちょっと変わった視点から、フラダンサーの魅力に迫ってみたいと思います。
ダンサーシシーって一体誰なの?
シシーさんは、現在、マウイ島のワイルク市にある、ベイリー・ハウス・博物館 (Bailey House Museum)の館長さんをしておられます。
本名は、ナオミ・ ”シシー” ・レイク・ファーム (Naomi “Sissy” Lake-Farm)さんです。シシーさんは、誰からもアンティーシシーの愛称で親しまれ、慕われています。
ベイリー・ハウス・博物館私では、定期的に「ムーンライト・メレ」というハワイアンミュージックのイベントが企画されています。
その時には、必ずといっていい程、カハウアヌ・レイク・トリオの曲が演奏されます。「アロハ カウアイ」 はフラダンサーに大人気の曲で、皆さんもご存じの曲ではないでしょうか?
この曲が演奏され始めると同時に、会場から一斉に、”アンティーシシー(Aunty Sissy)!” 掛け声が叫ばれます。
すると小走りのシシーさんがどこからともなく現れて、スリッパをポイとぬいで裸足になります。服も、きらびやかなフラドレスじゃないですよ。
ベイリー・ハウスの館長さんとしてイベントを切り盛りしておられるので、Tシャツと7分丈のパンツだったりします。
そして、観客の前に飛び出てきたら、私達ミュージシャンに軽く会釈をして、半分照れ笑いしながら踊り出します。
所が、それから、そうですねぇ~、ものの30秒くらい経ってからでしょうか。彼女が別人の様になるのは。
- 微笑みの中にもほんの少し憂いがあって、彼女の意識がどこか遠い所に行っておられる様な
- 凛として咲く花の如くに美しく、また妖艶でもあり
- 内側から溢れ出る何か、揺るがぬ自信の様なものを秘めて
- そして、黄昏時の天からのスポットライトに、仄かに照らされている様な
私は、初めて彼女のフラを見た時、鳥肌が立ちました。そして、ず~っと、胸がキューンとしていました。
そして、私の心に浮かんで、聴こえてきたのが「一流」という言葉だったのです。
有名フラダンサーと一流ダンサーとの違いは何?
さてここで、有名と一流、それぞれの言葉の意味をみてみましょう。
有名 VS 一流
- 有名という事は、多くの人に知られているという事。つまり、有名かどうかを決めるのは、本人ではなく、第三者。多くの第三者がいてはじめて、有名になれる。
- 一流という事は、本人のクオリティーが高い、質が高い、という事。第三者の力はなんら影響しない、本人のアイデンティティーの様なもの。
ここで補足ですが、私達第三者が、誰を、どんな基準で一流と思うかは、それぞれの人の好み、価値観、基準がありますので、一概には言えませんし、同じでなくてもいいと思います。
ただ、第三者の意見によって、御本人のアイデンティティーが変わるというものではありません。
一流のフラダンサーでなくても、著名度さえ高ければ、そのダンサーは、いわゆる「有名」フラダンサーといえます。逆に、有名でなくても、一流ダンサーは一流ダンサーなのです。
他のダンス界の一流ダンサーはどうか?
ここでちょっと脇道にそれますが、実は私は、フラダンサーではありません。(今の所)
でも、日本にいた頃は、プロ・ボールルームダンス(社交ダンス)の、競技会選手でした。
日本国内のトップクラスのダンサーからは元より、イギリスに渡って世界のトップクラスのダンサーからもレッスンを受けてきました。
そんな中、トップクラスのダンサーだけがもっている、有無を言わせない実力、他を寄せ付けない迫力を、身をもって感じてきました。
ただ、一流となると、また少し違います。
一流ダンサーには、溢れ出る気品はもちろんの事、王者の風格というものが備わっています。
でも、興味深い事に、その王者の風格というオーラは、謙遜な人格の中に、尊くも隠されている場合が殆んどです。
そして、一流ダンサーが一たび舞台に立つ時、その舞台が世界級の大舞台であろうと、はたまた、地元のイベント会場の小さな舞台であろうとも、溢れ出る気品と王者の風格が、瞬時にして輝き放たれるのです。
小さな舞台で踊っている時に、まるで大舞台で踊っているかの様に同じ輝きを放てるのは、一流の一流たる所以でしょう。
彼たちは、私がダンサーシシーに見たものと全く同じ輝きを放っていました。
アンティーマイキの「小さな舞台」でのひとこま
さて、フラ界において、一流という言葉がぴったりくる人と言えば、やはり、マイキ・アイウ・レイク (Maiki Aiu Lake) ではないでしょうか?
「フラの母」「ハワイアンルネッサンスの母」とまで言われ、フラ界において偉業を成した人であるにも関わらす、そのお人柄からの故に、「アンティーマイキ」という親しみのこもった呼び名で呼ばれています。
さて、ここで、アンティーマイキのお人柄がよく表れているYouTube 動画をご紹介します。ホノルルのフラグリルというレストランの片隅で行われたイベントで、言ってみれば、「小さな舞台」といえるかもしれませんね。
黄色いドレスを着て踊られているのがアンティーマイキです。
アンティーマイキのフラって、本当に素敵ですよね~。笑顔も素敵~!
あと、他のフラダンサーを招いたり、他のフラダンサーに中央真ん中のスポットを譲ったりしている場面なんかは、微笑ましいですよね。シシーさんも、よくします。こういう気配り。
今回、シシーさんのフラ画像は入手出来ませんでしたが、この動画のアンティーマイキが、そっくりそのままダンサーシシーだと思ってくれて間違いないと思います。
笑顔と気配り。お二人とも同じです。
一流のフラダンサーは、どんなに有名になろうとも、こんな風に他の人に気遣いができる、謙遜なお人柄が備わっているものなのかもしれませんね。
ダンサーシシーとアンティーマイキとの関係は?
さて、この記事をここまで読んで下さった方の中で、何人かの方は既に気づいておられるのではないでしょうか?アンティーシシーとアンティーマイキの関係を。
レイクファミリー
- フラ曲のアロハ カウアイは、カハウアヌ・レイク・トリオのバックナンバー。
- カハウアヌ・レイクの奥さんは、マイキ・アイウ・レイク、つまりアンティーマイキ。
- カハウアヌ・レイクの姪ごさんが、ナオミ・ ”シシー” ・レイク・ファーム、つまりアンティーシシー。
- そして、アンティーマイキは、ダンサーシシーにとっての、初めてのクムフラなんです!
ダンサーシシーとアンティーマイキの関係は、義理の叔母と姪の関係であり、と同時に、クムフラとお弟子さんという関係です。
まとめ
今日は、「有名と一流の違いは何か?」という、極めて珍しい視点から、フラダンサーの魅力を紐解いてみました。
また、「ダンサーシシーが何ゆえに一流ダンサーなのか?」いう事を、あくまで私の個人的な意見ではありますが、シェアさせて頂きました。
一流ダンサーには、溢れ出る気品はもちろんの事、王者の風格というものが備わっています。
また、一流のフラダンサーには、周りの人に気遣いができる、謙遜なお人柄も備わっています。
ダンサーシシーは、義理の叔母であり、クムフラであるアンティーマイキから、一流の何たるかを学んでこられたのでしょう。
今日は、シシーさんの事をあなたにご紹介できて、とても嬉しいです。
ハワイに来られた際には、ぜひ、地元ならではの、小さなイベント会場にもお越し下さい。
小さな舞台で輝きを放つ、そんな素敵な一流のフラダンサーとの出逢いが、あなたを待っているかも知れませんよ。
あなたの歩む、一流のフラダンサーへの道が、大いに祝福されます様に。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!